等比数列(一般項・和の公式)

【等比数列の一般項】
初項 \(a\),公比 \(r\) の等比数列 \(\{{a}_{n}\}\) の一般項は、\[{a}_{n}=a\cdot r^{n-1}\]

【等比数列の和】
初項 \(a\),公比 \(r\) の等比数列 \(\{{a}_{n}\}\)の、初項 \(a\) から第 \(n\) 項までの和 \({S}_{n}\) は、

  • \(r=1\) の場合、\[{S}_{n}=an\]
  • \(r\ne 1\) の場合、\[{S}_{n}=\frac{a(1-{r}^{n})}{1-r}\]

解説

等比数列の一般項

初項 \(a\),公比 \(r\) の等比数列 \(\{{a}_{n}\}\) は、次の図のように表されます。

そのため、初項を \(a\) とすると、\[{a}_{n}=a\cdot r^{n-1}\]となります。

項数が \(n\) 個の場合、その隙間は、\((n-1)\) 個になる

等比数列の和

初項 \(a\),公比 \(r\) の等比数列 \(\{{a}_{n}\}\) について、初項から第 \(n\) 項までの和 \({S}_{n}\) は、次のように表すことができます。

\(r=1\) の場合

\(1\) は何乗しても \(1\) なので、①は以下のように書けます。\[{S}_{n}=a+a+a+・・・+a+a\]

そして、右辺は、\({a}_{1}\) から \({a}_{n}\) の \(n\) 項の和なので、\[{S}_{n}=an\]と書けます。

\(r\ne 1\) の場合

①の両辺に \(r\) をかけると、

①と②を、\(r\) の乗数が等しい項が縦に並ぶようにして、両辺を引き算すると、

このように、

間の項が全て \(0\) になり、 \((1-r){S}_{n}=a-a\cdot {r}^{n}\)  だけ残る

ことがわかります。

\(r \ne1(\Leftrightarrow\ 1-r\ne 0)\) であることに注意して、両辺を \((1-r)\) で割ると、\[{S}_{n}=\frac{a(1-{r}^{n})}{1-r}\]を得られました。(併せて、分母は \(a\) で括っています)

(補足)等比数列の和の公式に現れる、分母の乗数について

試験などで緊張していると、\[{S}_{n}=\frac{a(1-{r}^{n})}{1-r}\]の分母の \(r\) が、\(n\) 乗だよな?いや、\(n-1\) 乗だったかも・・・? と不安になることがあると思います。(少なくとも、私は何度か経験した記憶があります。。。)

その場合は、公式を導出した、この筆算を思い出しましょう。

そうすると、一番右側の \(n\) 番目の項がはみ出して、そのまま分母に来る ことがわかると思います。ぜひお試しください!

おわりに

今回は、等比数列の一般項と、和の公式を解説しました。

等比数列の公式は、公式の丸暗記ではなく、どのように導出するかを理解すること がとても重要です。
導出方法を理解できれば、万一、試験中に忘れてしまっても、自分で簡単に導出できますし、そもそも公式も忘れづらくなります。
特に、補足で取り上げた「分母の \(r\) が \(n\) 乗か、\(n-1\) 乗か」という問題は、試験中などの非常に緊張感が高まる現場では、多くの受験生が経験するものです。

公式の導出方法について不安な方は、何度も読み返して、ぜひ数列を得点源にしましょう!

【等比数列の一般項】
初項 \(a\),公比 \(r\) の等比数列 \(\{{a}_{n}\}\) の一般項は、\[{a}_{n}=a\cdot r^{n-1}\]

【等比数列の和】
等比数列 \(\{{a}_{n}\}\)の、初項 \(a\) から第 \(n\) 項までの和 \({S}_{n}\) は、

  • \(r=1\) の場合、\[{S}_{n}=an\]
  • \(r\ne 1\) の場合、\[{S}_{n}=\frac{a(1-{r}^{n})}{1-r}\]

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